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「あっ……やだ…って」
汚すまいという真面目な涼太郎の計らいに、またも俺は下半身を晒しているがそれは涼太郎もであり……互いのを擦り寄せそして涼太郎の手で扱われている
今更やっぱりちんこも攻めのヤツじゃんと言える雰囲気はなく、涼太郎の口から出る吐息とか唸る声が静かに全部俺の耳に入ってくる
「……はるっ、もっと……声出して」
荒い息切れと重さで少しベッドの沈む音が、集中しなくたって意識してしまうのにそんな求められているような言葉を耳元で言われると背中が反り上がる
「んっ……やっ、てば……」
サービス精神をしようと思ったわけじゃないのに、今まで聞き慣れた筈の涼太郎の声に変に反応してしまいイッたばかりなのに俺のヤツは元気にビクビクとまた刺激を欲してやがる
声のせいもあったけど、涼太郎の俺の呼び方も昔みたい呼ばれて思わず可愛いとなってしまったがこんな雄な姿を前にしてさすがに口には出せなかった
「可愛いな……」
涼太郎のその言葉と同時に手の動きが激しくなり、熱がどんどんと中心に集まり次第に声も勝手に呼吸のように漏れ……それを塞がれるかのようにキスをされ舌が絡む
何度もしたキスに気持ちのいいことを知っている俺は涼太郎の動きに合わせ深く絡みついた瞬間、熱いものが溢れ出て下を見れば俺の腹へと白い液が見えた
「……どっちのか、分かんないな」
見上げれば涼太郎が笑みを浮かべ、恍惚とした表情のまま額へとキスをしてくる
その言葉、同人誌で聞いたことある。そう口に出して今度は違う涼太郎の笑顔にまたくだらないことを言ってると笑う時の表情に俺も口角を上げる
キスと言いまるで俺の描く男同士の恋人のような感じに見えるが、冷静にもふと思い出す
「あ……ねぇ、涼太郎?」
「なに?」
「……涼太郎って今、彼女……いるんだけ?」
ご丁寧に俺の腹の上を掃除してくれている、そんな質問にピクリと反応して手を止めた
「お前さ……俺のことどう見えてるワケ?彼女がいるいないは今置いといて、もしいて男に手を出せば浮気じゃないとでも言えるか?」
「えっ……や、今いるいないが知りた」
「彼女が居るのに、男なんかにキスして手を出すかバカ!考えればわかるだろうが!」
吹いてたティッシュを投げつけられてぎゃっ!と思うも怒る涼太郎に、今俺は気付いた……もしかして本当にまじで俺に欲情してたんだこいつ
ハッと気付いた時には涼太郎は怒ったまま、さっさと服を着て部屋から居なくなっていた
「……りょ、涼太郎ってホモ……だったんだ」
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