進捗どうですか

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進捗どうですか

 あれからというもの、涼太郎との連絡は一切していない。していないと言うより、これと言って別にすることもなかったのでいつも通りではあるが……だ  何であんな怒られたのか思い当たる節がない……涼太郎が同性愛者とするなら今までに付き合っていた女の子達は?俺の前では隠していたのか?  しかし『俺はBL描いてるだぜぇ~!』と言い切った俺にそんなことを隠すだろうか普通?ならばその時にでも涼太郎も言ってくるだろうに……そうなると余計不思議になる 「はぁ……1週間も経っ……はっ!?待て待て公式新規絵ヤバくないか、尊っ……」  独り言をだいぶ大きいな声で言ってしまいパッと口に手を当てるも、講義が終わりガラガラとしていたし入口付近で喋っていた女の子達に幸い聞こえてなかったのか話しながら出ていった  室内の時計を見て昼前だと気付く……今日は午前中しかないし、食堂で飯食って帰ろう。講義中の落書きしたノート端を見つめるも綴じて鞄へと押し入れた  ぶっちゃけ涼太郎に謝る以外思い付かず、何度も連絡先と睨み合っていたがあのスケベな出来事のお陰か……新刊として考えていたえっちなシーンへとの流れがトントン拍子で描けてしまいネームが終わって喜んだ矢先ベッドに身を投げ出した後、罪悪感がじわじわと押し寄せてきたのだった  更に気を紛らせようと思い、ノートを出しペンを走らせれば思い浮かべるのが涼太郎の雄な顔で……特に意識した訳ではなかったのに描いたキャラの顔が涼太郎に見えてきて悲鳴をあげた  そんなモヤモヤとした感情の時に支給される、公式からの恵みのイラスト……そして流れてくる推し達のイチャイチャ。こりゃあ飯も一層に美味しさを増すな最高じゃん 「……あ、あの。すみません……お、お隣……いいですか?」 「あっ、え?」  スマホの画面から顔を上げて見れば、女子大生が居た。当たり前な話ここは大学の食堂なんだから、それはそうだろうと……けど俺に女子が話しかけてくる?しかも可愛い子がだぞ?? 「……い、いいですけど。他にも席空いてますよ?」  とりあえず変な勘違いをするな童貞と心中で言い聞かせ、周りを見間渡すように言えば女子は首を振り俺のスマホを指さす 「……わ、私も好きなんです!!」 「はい?!」  いきなりの大告白に周りの目を気にしながらも、ううっと照れる女子を前に俺は挙動不審になりスマホを見つめるが頭が話についていけず俺はただただ棒立ちとなった
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