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「……福澤、お前何してんだ」
「いや……本当は片付けようと、だな」
片付けを始めるべく本棚にコミック本やら同人誌を入れようとダンボールから出して、そう…出したことは覚えてるのだがなぜ読み出したのかは記憶が無い
そもそも幼馴染みだからといって、彼女のように合鍵を渡していたことを今更思い出して最初の時よりも散らかった部屋を見られ何も言えなくなる……合鍵を渡した理由は普通にバイトやら朝が早い日にでも学校が近いし泊まれば?という俺なりの親切心だったが、今初めて後悔の海に流される気分だ
「まぁいい、部屋はお前の部屋だし何も言わない……でも今日一緒に居た子はなんだ」
怒られると思いきやのあっさりと、呆れる表情のまま本当に持ってきてくれた手土産らしき袋を渡され聞かれる
『今日一緒に居た子』とは、バカの俺でも察せる通り友夏ちゃんなのは分かるがなんでそんなことを涼太郎が?
「んーとまぁ、友達だよ?涼太郎だって女友達いるでしょ!それと一緒だっーちゅうに」
「……初めて聞いたよ、お前からそういうの」
そりゃ涼太郎の言う通りに、この今大学に入るまで女友達なんて居たことないし彼女も……原稿するしで居なかったし
「んだよ、俺からそういうの一つや二つ出ても変じゃないでしょうが……てかそれが涼太郎の言いたかったこと?だとしたら、直接来なくても」
「言いたいことはこれじゃない、けど……お前が女子と居たから気になって聞いただけだ」
呆れた表情から少し変わり、目が合ったり合わなかったり……落ち着かない様子なのは見て分かるが涼太郎のこんな姿初めて見たぞ
「じゃあなんだよ……」
それよりも俺は未だにあの事で頭がぐーるぐるして、俺も俺でまともに目が見れる状況下じゃない。かと思えば真剣な顔で見つめてくる顔に、逸らすのを必死に我慢して「何?」と聞く
「……この一週間、お前としたことを思い出して何度か抜いた。1度じゃない、お前の声と顔を思い出したら無性に」
「えっ……えっえっ!?な、なになんだよ急に!!いきな、はぁ?」
予想だにしない言葉にさっきまでの気まずさよりも、衝撃的なこと言われて前のめりになり涼太郎へと食いかかる
「……ぬっ、人の顔を思い出してす……するのはいいとしてそれを本人の前で言うなよ!」
「悪い。汚い話だとはわかってる、けどお前が俺に隠し事しなかったみたいに……俺もしたくなかったから」
大真面目というより、バカ真面目な幼馴染みとして逆に心配になってきた。切れ長の目がこちらを見てくるも「そうなんだ」としか言い返し出来ないと口を開けようとした時だ
「だから俺は、お前のことが好きなんじゃないか……って思ってるんだ」
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