腐れ根性こんにちは

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腐れ根性こんにちは

『それだけ、言っときたかったんだ……悪いな急に。今日は何もしないから、またな』  それだけ言いすんなりと荷物を持ち、帰る間際に『片付け進まなかったら、言えよ。手伝ってやるから』と玄関の閉まる音が聞こえても心臓がうるさかった 「ねぇはるちゃん!昨日の公式のサイト開いた?」 「……え、あっごめん。昨日なんか騒がしいなぁって思ってはいたけど見てないや」 「んもぉ~!はるちゃんの推し君新しい衣装着てたんだよ、しかも私の推しも~!すっっごい良かったんだから!!」  見て見てと勧められるスマホを覗き込むも未だに昨日のことで目眩がする  何度考えても『嘘でっしょ~?』と笑い声を上げ手を叩き、こんな現実で上手い感じにBLのようなことってある~?など思いながらも起きた事は夢ではないことは自分が痛い程分かっていて惨めになった 「ホントだ……最高にいい、やっぱりいいなぁスーツ。超最高に雄顔だし、スパダリの攻め君じゃ~ん」 「でしょ!しかもさぁ……ここちゃんと見て、松くん少しネクタイ曲がってるの。これ絶対後で直してもらうんだよ『ったく、しょうがねぇなぁ』って~~~!」 「……世話焼きシチュか」  目の前の楽しそうな友夏ちゃんを前に、そう言えば俺も俺で涼太郎に世話を焼かしていた……気がするなとふと思う 「……はるちゃんやっぱり元気ない?」 「えっ?い、いやいや!元気、健康、最高潮だぜ?」  女の子に心配されることなんて全然なかったし、しかもこんなに可愛い子に……申し訳なさに腕をブンブンと振り回しこれでもかと笑顔を見せつける 「……昨日の友達君と喧嘩まだしてるの?それが気になってる……とか?」  昨日心配してくれていたことを思い出して、顔を見ればじっと見つめられ手を触れられる 「いや、その……喧嘩とか、じゃないんだけど」 「でも昨日なんか気にしてたよね?……岡倉君だっけ、昨日あの後大学の子達と話してて1年生の中でもカッコ良くてモテてるって聞いたんだ私」 「はは、それはあってるよ」  大学だけじゃない、のも。喧嘩だったらこんなにも口どもるようなことじゃないが、ことがことで心配してくれている友夏ちゃんに言いづらい  けれどじっと見られたままで、何度も目を逸らしてしまう 「話せることだけでいいんだよ!はるちゃん!私達、性癖も話せる友達になれたじゃん!!」 「ゆ、友夏……ちゃん……」
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