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「え、つまり……そのはるちゃんの言うことが嘘じゃなかったら岡倉君ははるちゃんのことがす……」
「そこまで!!」
言われたくない気付いたその言葉を彼女の口から出る前に手を大きく開き、言葉をさえぎった
何だかんだ言っておきながらこれが他人事ならば、面白そうだとキャッキャッと話してただろうけど自分のしかも幼馴染みである男からの好意を他へと話すのは自意識過剰なのではないか。そう思ってしまうくらい羞恥で顔が熱く感じる
「でもはるちゃんの趣味も理解してくれてるって、最高物件だしなかなかないことだと思うよ?」
「……り、涼太郎がいい男なのは知ってるけど違くて」
「どういうこと?」
キョトンとした目に見つめられ、戸惑う
流石にあんな事があったからとは言わず、ただただ幼馴染みとして友達である男からの急な告白を伝えておきながらも俺の脳内はダメな方向へと足を運んでいた
「……お、俺じゃなくてもっとなんかさ。可愛い系?中性的で女の子にも見えそうな可愛いこと付き合って欲しいってか」
「……ん?」
「だから俺がまず、涼太郎とCPになることじたいが……地雷じゃないけど、解釈……違いって言いたくて」
冷静に言葉を言いながらも俺は何を言っているんだと、悟ってしまうも自分の言葉に嘘偽りはなく顔をしわくちゃにする
「……はるちゃん?現実は、二次創作じゃないよ?」
そして現実と漫画の区別が出来てないオタクを冷たい目で見てくる友夏ちゃんの目に、分かっているんだと項垂れる
そんなこと分かっているからこその現実逃避であって、涼太郎からの好意が嫌な訳はないが……どうにも素直にものが言えない
「なんかでもさ……好きだ言われてもこちらとしては、どうすればいいのか分かんないし。恋人いない歴長すぎて普通がわかんないんですよ……友夏先生」
「……はるちゃん」
さっきまでそっと添えられていた手をキュッと握られて、目が合う
「岡倉君にさ、私に話したことその言えばいいんだよ。そしたらモヤモヤも晴れるはず!」
キラキラと純な瞳と綺麗な指先に目が行き、生唾を飲み込む……涼太郎にいまさっき言ったこと、全部のそのまんま
俯きかけた顔を上げて見た瞬間「ね?」と柔らかい笑顔を向けられて、俺は自然と顔が綻び軽く頷いた
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