抱かれたいのは俺じゃない！

腐れ根性こんにちは

　揺れ動き擦り合うものの音と、少し荒い息だけが聞こえる空間にしてもない行為に犯されている感覚に声が出る

「や、やだっ……て！とまって、とま…って！」

　熱い中心が辛くなり今すぐにでも手で触りたくて仕方ない、けれどそんなことをしたら勃っていることがバレてしまうのも嫌だけど勢いで四つん這いになってしまった手が限界が来てる

　そんなことに気づくこと無く未だ一心不乱に腰を振る涼太郎を内心罵り言葉を吐こうとした時、ピタリと動きが止み……解放されると思うや身体を上げさせられて腰と上半身がぴったりとくっつき後ろを振り返れば顔がすぐそこだ

「りょ、涼太郎……？」

　首元に当たる吐息にビクッとするも、腰を掴んでいた片方だけがするりと服の中に侵入して胸を触られる

「……前言ってたよな、ここはいいって。それって男も女みたいに弄ってれば、感じるようになるってこと？」
「えっ……や、んッ……だ、だめっ」

　這うような手の動きが胸を撫で、先端を指先で押し潰されて初めての感覚と同時に熱を帯びていた中心の膨らみをもう片方で撫でられて声を漏らしてしまう

　逃げるように身体をもがき動くも涼太郎の腰へと自分の尻を擦り合わせてしまい、撫でる手へと自分で身を動かしたことによって逃げ場が無くなる

「あっあっ……やだっ、てば！」

　抓るられる刺激と感じたくないという気持ちとは裏腹に、布越しに中心を撫でられ物足りない感が息苦しくてたまらない。もういっそのこと触って欲しいと思うも、そんなことを口が裂けても言えるわけが無い

「可愛い声、すげぇ抱きたい……祥春こっち向いて」
「んッ……」

　耳元で囁かれて身体中が反応する。小さくも首を動かして振り向けばキスをされて息の切れる唇のすき間から舌を入り込んでくる

　拒むことも無く気持ちのいいキスに、俺の手が無意識に涼太郎の顔へと伸びた顔を引きせていた

「……もっと」

　漏れ出た言葉に涼太郎は何も言わずに何度何度もキスをして、舌を絡ませた

　ふわっとした視界で舌を離された時にうっすらと見えた糸に、本当になるんだとぼやけつつ思うも涼太郎の手は止まらず動き途切れ途切れに声が漏れて下唇を噛み締める

「……お前のこと抱きたい」

　見たことない涼太郎の表情に俺は俯きながらも小さく頷いてしまった