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「ちょ、ちょちょっ……涼太郎君。いや、涼太郎さん、あの……」
「……なに?」
流れという流れに乗ってみたはいいが、この男……俺のことを抱きたいなんて軽く言ってはいたが果たして男の抱き方を知っているのか?
多分経験上、童貞では無いとは思うが俺の方が……描いた経験上様々な男を抱いてきた気がする。つまり俺の方が上
「……今ここで上と下、チェンジ可能なのでは?」
「何、上と下って」
「簡単に言ったら、どっちがネコかタチか……要約すると男性役女性役という話でちゅよ~」
ぱちくりする涼太郎の鼻先にチュンと指先で触る
先程の雰囲気と流れでベッドに移動したものの、ズボンを脱がされてパンツまで脱がされる手前で涼太郎の腕を掴んだ
待て待て、涼太郎が攻めとはまだ決まってない筈だぞ。涼太郎の背は高い、しかし俺だってちょっと低いくらいだ……たまに小さい攻めだってあるんだし、あれ?ってことはリバでもいいんじゃないか?
「……どう考えてもお前の方が、抱かれる側だろ」
「俺の心の中を読むな……!まだそうとは断言出来ないだしょ!!」
「だしょ……読んだんじゃなくて、顔に出てんだよ。変なことを妄想するな」
いきなり頬を抓られて図星過ぎて、言葉を噛むわ何も言えずに睨めっこをする
睨む目に何度か逸らされながらもほっぺたを抓り返して、驚く顔に食い逃げのように口に軽くキスをしてやる
「涼太郎君は……同性とのおせっせの仕方をご存知で?」
少し身を引きながらも、やはり気になることは確かだ……顔を覗き込み聞いてみるも「……おせ?」と呟く声にそこはいいだろうがとツッコミを入れる
「……曖昧だが、映像は見た」
「えっ……?えいぞう……?ま、え……それってゲイ…」
あの涼太郎もこの涼太郎もないが、今の今まで俺がホモのドスケベ漫画に呆れ興味のきょの字もなかった……あの涼太郎が!?
なんの心の心境だよ、男らしいとか真面目とかそんなこと置いといて恐ろしく思えてきたんだが
「きも真面目じゃん……お前」
「誰がキモイだ、試しに見てみたんだよ……男が好きかどうかを。それを言うなら、お前だって同じ部類だろうが!」
「俺はあくまで好きだから見てたりしただけだし……一緒にされたくな~い!」
まぁ真面目な涼太郎っぽいとは思うけど、そんなに思い悩んでいたのかと考えたら可愛い奴だと思えてきた
少し馬鹿にしたせいか、今度は両頬を両手で抓られて流石に痛みで顔がしかめっ面になり目を瞑る瞬間近付いてきた顔と同時に唇に柔い感触がして目を開ければ頬を離されていた
「やり返しだ、あほ……」
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