見えた境界線

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見えた境界線

「祥春……少し、力を抜けっ…」 「やっ……むっ、り…ってあ、あっ!」  さっきとは違う大きな違和感にシーツを握り締めるが、入ってくるのに力が入ってしまうも声が出る  膝を深く曲げて太ももを掴み、腰の下に敷かれてしまった枕のせいで恥ずかしい所が全てさらけ出してしまって内心もうどうでもよくなるものの少し目線を涼太郎の方に向ければ目が合い再び羞恥で抜いたばかりのアレが反り立つ 「さ、さっきの……がいいっ、仰向け……やだ!」  腰を上げられた角度がまるで見えるように途中まで入っている部分が見え、不満を言えば強い目線がこちらを見てくる 「だめだ、こうじゃないと……お前の顔が見えない。ただでさえさっきも枕で隠そうとしただろう」 「そっそりゃ恥ずかしいから……あぁッ」 「……俺もそろそろ限界なんだよ、少し黙れよアホ」  反論を言おうと顔を上げて言おうとした瞬間、グンッと力強く入ってはきた感覚に息を呑む  限界なのはこっちのセリフだと言いたくても、徐々に揺れ出した律動と同時に声が出てまたも手に力が入る  たまにくる気持ちのいい場所へと擦れて高くなる声へと咄嗟に口に手を当てて塞ぐも、更に深く突かれ身体が反り目の前がチカチカとしだす……なんだ今のは一瞬、変な感じがした 「なっ、なに……いま」  呆然と息を吐いていれば、目がかち合うも涼太郎の口角が少し上がるのが見えてハッとする 「あ、あ、あっやだやだ……!」  察した途端にゆっくりと抜かれると思えば、俺が反応した深さで奥まで突かず律動して身体が否が応でも身体が反応してしまい変な声ばかり出てしまう  何年男同士のえっちな話を描いているってのに、さっきまでなんで前立腺のこと忘れてたんだ……指でされてた時にもう気づいてたことなのに 「やっぱり……ここ、気持ちいいんだな」 「もっ、やって……!りょた……やだっ」 「……今更そんなこと言われても、もう無理に決まってんだろ」  幼馴染みでこいつの知らない所なんて、ないと思ってたのに初めて見る息を荒くし獣のような目に唾を飲み込む 「はる……キスしていい?」  挿入する許可は聞いてこなかったクセに、近付いてきた顔をじっと見て睨む 「こんなこと、しておいて……やだって言うわけないだろ。わかれよ…あほ」 「それもそうか」  少し笑うもグッと寄ってきて口付けをされる  軽いキスから唇を舐められ、求められているのだと思い薄く唇を開ければ這いよってくる舌に口腔を犯される  今さっきまでやだって言ってたことなんて、聞き耳も持ってないんだろうなと鼻で笑うも深い口付けに吸いつかれて離された……もう少ししたいと思ったのが表情に出てたのか、分からないけど額へとキスされ小さくも聞こえた「可愛い」にうるさいと言い返した
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