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「なんでも……いいの……?」
「……なんで、そんな嬉しそうな顔をしているんだ。なんでもとは言ってないだろ」
「何をしたらってことはさ!なんでもいいって言ってるようなもんじゃん!!」
俺の心を読まれたのかどうかは分からないが、考えてたことが何か良くないものだと察しられて身を1度引かれる
表情に出すぎていたかと自分の口元を隠すように触りながら涼太郎の顔を覗き込む、先程と少し顔が違う……心の中で小さくも舌打ちをする
「そもそもの話、俺の告白はガン無視か?」
「こくはっ……そ、そんなこと言われてたっけか、そう言えば……」
思わずの流れで何でこうなったかの原因を思い出して、ハッとするも「そう言えば」とサラッと言ってしまった言葉に涼太郎の目は鋭く俺を見てきた
「おい……祥春、お前……」
「ち、ちが!忘れてたじゃなくて……その話を逸らしたくなるくらい俺もどうすればいいかってこっ混乱してんだよ!」
間違ったことは言ってはいない、が……8割は涼太郎が俺の言うことを聞いてくれる。ということで完全に飛んでいたことは言えるわけが無い
というか、混乱というよりもこのまるで自分で描いたことのある展開に俺はどう終点を打てばいいのか……
「ごめんって、涼太郎……でも…」
口を開き顔を上げた瞬間の、表情はよそ見もせずこちらを見てくる
「未だに俺も分からないんだ。可愛い訳じゃないし、俺は抜けてるところ沢山ある……昔から今最近だって涼太郎に怒られたりしてんのに」
さっきはつい言い返してしまっていた、自分の悪い所を自分の口から出して本当に良いところがあるのかと思うくらいに
けど、見つめてくる目線は優しげに頬を撫でてくる
「そんなのお前より知ってるよ……でも、いや……だからか。危なかっしい所も目が離せなくて仕方ない」
「…そ、それって世話が焼けるってこと?」
言われる言葉にさっきみたいにならないようにと、少しだけ口をムッとさせて返せば、涼太郎は目を丸くするも柔らかい表情で笑い頭をくしゃくしゃと犬を撫でてくるような感じで手をやられる
それに反射的に目を瞑ってしまうも、ふっと開けてみれば変わらない優しい表情に少しだけ調子が狂い目を合わせられない
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