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「嘘だろう」という心の言葉と同時に、頭を大きく振る
「った!多分、涼太郎は俺の顔を見てじゃないと思う……多分というか絶対!!」
誇りを持っていいぞと言わんばかりに肩を叩いてみるが、全然俺の顔を見てくれなくて下から覗き見てみる。チラリと目が合うも、やっぱり逸らされる
「……ふっ、雰囲気だよ涼太郎!ほら誰だってえっちなテレビ観てたらあるし、俺だって多分……その涼太郎が」
「……俺が?何?」
さっきまで喋らなかったのに、食い気味に顔を上げ目が合う……が今度は俺が逸らしたくなり目を伏せる
「な、にゃ……だから……涼太郎がもしも俺の目の前でぬっ抜いてたら」
俺だって勃ってたよと小声で言い、言っておきながら恥ずかしさが増していく……幼馴染みのしかも男の前で俺は何を言ってるんだと手で顔を覆い隠す
「……男同士のあんな漫画を描いていても?」
「ま、漫画はその……慣れんの!でもやっぱり実際俺がそんな状況になったら、身体は抗えないってか……」
そういうことを言ってる場合か!!今は俺じゃなくて涼太郎だろうが!!
「……へ、へっへっ涼太郎君……素直にテメェのブツを出しなぁ……!そろそろ限界もきてるじゃねぇかぁ?」
「何だお前いきなり……さっきまで可愛い顔してたのに、台無しだぞ」
「元から可愛くもねぇよ!素直になれば、すぐに楽になれんだぜ……」
冗談でも可愛いと言われたところで嬉しくもくそもない、だがしかし俺はそんなことよりもだ。さっき思いついていたことを上手いこと乗せれば行けるのではないか……?
生唾を呑み込んでじっと見つめてみる。さっきよりも逸らさず見てはくれるものの少し目線が泳いでいる……真面目な男だ。少しでも話が逸れたら終わる
「……りょたはここ人に触られたこと、ある?」
「……なんだよ、急に」
顔の距離を近付け、ずいずいと詰め寄る。逃げ場を失えばこちらのものなのではと、少し上がりそうになる口角をぐっと我慢する
「俺にさっきあんなことしてくれたんだし、少しは察せれるだろ?……それとも涼太郎君はそんなお馬鹿?」
脳内で1度描いたことのある誘い受けを召喚し、こう言ってみたものの誘いと言うより煽ってないかと一瞬過ぎるが……腰に手が回されて近付く顔に条件反射で目を閉じてしまう
触れてきた唇と共に這い寄ってくる舌と手に、撫でるような手つきに身を委ねて求めてくる舌にまるで慣れたように絡めたが……そして俺は今、人生初の大人のキスをしたことを思い出したのだ
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