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そう思っていたのは俺だけではなかったようで、斜め向かいに座っていた雪原もどうやら同じ気持ちのようだ。
俺とだけでなく、まさかの片岡の誘いを断った成宮と同じグループになるなんて、あまり先を想像したくないようで、うつむいている。
「よろしくお願いしますね」
そんな事を全く気にしない成宮は笑顔で俺たちのグループの元に来た。
放課後
雪原がパシりではなく、片岡たちに連れて行かれた。これは暴力の気配。
「雪原さん、連れていかれましたよ。助けに行かなくて良いのですか?」
そんな俺の心の声を読んだかのように、成宮がいつの間にか俺の後ろに立っていた。
「助ける?なんで?」
「殴られるかもしれませんよ。」
「だろうな。片岡のやつめっちゃ怒ってたからな」
「あなたには雪原さんを助ける力があるのに、雪原さんを見捨てるんですか?」
「見捨てるって、そもそも・・・わかった、様子見るだけだぞ。」
お前が悪いんだろう。それにお前も助ける力あるだろうと言いかかったが、女を責めるのは心が踊らないので、飲み込んで雪原を見に行くことにした。
俺が行って、片岡の火に油を注ぐ形にならなければいいのだが。
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