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「ほら、やっぱり居た。」
保健室の扉を開くとそこには、木下さんが椅子に座っていた。いつものショートヘアーではなく軽く後ろで髪を結び、緑のメガネをかけて本を読んでいたようで、俺を見るなり本をパタンと閉じる。
「ほらって何よ。」
「助かったって意味だよ。手当てしてくれよ」
「また喧嘩したの?」
「ちげーよ。俺じゃなくて、コイツだよ。」
俺は雪原を中に誘う。そして、雪原に続いて成宮も入ってくる。
「変わったメンバーだこと。にしてもこれはまた派手にやられたね。」
木下さんは軽く息を吐くとテキパキと保健室の備品を使い、雪原の手当てをしていく。勝手に備品使っていいのか?と時々思いながらまぁいいかと保健室のベッドに横になる。
「はい、おしまい。」
「ありがとう。」
雪原の手当てが終わると同時に学校全体が大きく揺れ出す。
「うそ、早すぎる。」
「地震だ、早く机とかの下に入れ。」
ベッドから起き上がると俺は木下さんの手を取り直ぐにベッドの下へ。見ると成宮と雪原は少し離れた机の下に避難している。
もの凄い揺れで保健室の棚にある備品や薬品が落ちてくる。ガラスにもヒビが入りそうなぐらい揺れる。
10分ほどで揺れが収まり出したと思うと、次は頭痛に襲われる。
「なんだこの頭痛。頭が割れそうだ」
木下さんも同じように頭痛に襲われている。成宮も雪原も同じように頭を抱えている。
「君たちで決まりだ」
頭の中に何か声が聞こえた気がした。
けどダメだ、頭痛で意識を保ってられない・・
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