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小説家の伊門冬は、猫鍋出版社で出している雑誌に連載をもっており、その連載の執筆も今月分も終わって一息を入れているとお手伝いの成田紅が無言でオリジナルコーヒーを伊門の机に置く。伊門も当たり前のように無言でコーヒーを飲んで窓の外をみる。
天気のよい外を見てボッーとしている。
伊門は最近、警察での仕事の依頼が減っているので暇をしていた。
でも、毎日のように来るのは出版社の図体がでかい木田だけだった。
成田がそのように心の中で思っていたときだった、家のインターホンが鳴り成田が玄関へ行く。木田だと思っていたら、刑事の金村光だった。いつもと違うのは金村の後ろに大人数の人達がいることだった。
金村は真面目な顔で「成田紅…殺人容疑で逮捕する。」と礼状を出した。成田の両手に手錠がかけられた。
金村は「後、家宅捜査も行う。」と捜査令状も出した。
成田は大人しく連れていかれる。
刑事達は、伊門達の家へ入ってくる。
大勢の刑事達が入ってきて、伊門は少し驚いた顔をしたが、そのまま動かないでいた。
金村は伊門に「これから、家宅捜査する。動かないように。」と言った。
家宅捜査が伊門の家で行われて数時間後に終了した。しかし、刑事達が持っていくものはそれほどなかった。
刑事達が、家から立ち去っていってから、数分後に金村光が開いてる玄関から再び現れて「おい、伊門どういうことだよ。成田が殺人犯だなんて。」と少し泣きべそをかいて言う。「俺も最初成田が犯人に浮上したときはビッカリしてまさか、捜査協力してもらってる家政婦なんていえないだろ?で、お前は知ってることないのか?」と聞くと伊門は窓を見つめながら「ないね………でも、確実に言えることは成田は絶対に犯人でない。こんな旨いコーヒーを作るんだから、だから、教えてくれよ。事件を………」と初めてこんなにも熱くなる伊門を見たしかも、目を見開いて金村を見つめてきたのだ。金村は「分かった。これは、俺達にとって負けらない戦いになるな。じゃあ、事件内容をはなすぞ!」と言うと伊門は「うん。」と返事をする。
事件内容‼️
殺害されたのは、コーヒー豆のショップを経営をしている中岡あゆみ(35)で頭を鈍器のような物で殴られて亡くなっていたのを、店に来店した常連の斎藤隆さんが見つけた。
なぜ、成田が容疑者として浮上したかと言うとこの常連の斎藤さんが来店する前に成田が先に来店しており、その後に慌てて店から出ていくのをカメラがとらえていた。
目撃者もいて、さらに中岡あゆみさんからも成田の指紋が検出されたのだった。
それに、最近は成田が中岡さんと口論になっていたのを目撃もされていて恨みで殺害したとみていた。
金村刑事は話せる部分だけ伊門に言うと「そろそろ、成田の取り調べが始まると思うよ。警察はアイツを落とすために必死になってるよ。それはよ、亡くなった中岡さんが署長の娘でなそれで、上からの圧力がかかってるからな。まぁ、何か分かったら連絡するよ。」と言って出て行った。
伊門は、ぼんやりと窓を眺めていた。
次の日も、伊門は窓を眺めている。コーヒーカップに手をやり口にすすろうとすると中には勿論何も入っていなくて昨日と同じままだった。
いつもなら成田がコーヒーを入れてくれるのだがと居なくなった成田の有り難みを感じていた。
伊門は台所に行きコーヒーをいれようとするが場所が分からなくて物色していると、コーヒー豆を床にこぼしてしまった。その床にこぼしたコーヒー豆を見つめて何か思ったのか「ん!」となっときだった。
「おはようございます!先生!不用心ですぞ!玄関あいてましたぞ。」と図体がでかい男。出版社の木田が入ってきた。続けて「先生何をしてるのですか?豆こぼしたのですか?もう、聞きましたよ成田さんのこと。でも、成田さんは犯人でないことは私もわかっておりますぞ。なので、先生きにしないで、先生が心配で私がお手伝いをさせていただきたく今日ここに参りました。何でも言ってください。」と言うが伊門は落ちた豆をそのままにしていき自分の仕事場の炬燵に入る。
木田の話はスルーした。
それを見た木田は「ふうー」と息を吐き床に散らばってるコーヒー豆をかたす。コーヒー豆の臭いが手についたのか嫌な顔をして伊門を見つめた。
木田は伊門に「先生何か食べましたか?作りましょうか?」と聞くが伊門は窓を見て何も答えないのでさすがの木田もそれ以上話しかけなかった。
数時間たって、出版社の木田は部屋を隅から隅まで掃除をしておまけに料理を作っていき伊門に「先生!ここに食べる物、お口に合うか分からないですが食べてください。あと、仕事の気分でもないと思いますがここに、来月の企画の案を書く紙置いときますので宜しくお願いします。私は今日はこれで失礼します。」と言って出ていく木田は玄関で「鍵かけてくださいね。」といつもよりも大きな声で言って出て行った。
伊門冬は、ボッーとしていて木田が入れてくれたコーヒーには手をつけなかった。
また、次の日出版社の木田は伊門の家に行くとまた、玄関の鍵がかかっていなくて「不用心ですよ。」とひと言言う。木田は玄関に黒い革靴を見て「もしや..」と呟いて部屋に入って行く。
部屋には、伊門はもちろん、その他に顔が長くて長身な刑事の金村が座っていた。木田は「おはようございます!」と言うと金村は「おう!お前も来てくれたか?」といつもの冗談でからかわない。
木田は「金村さん、早く新犯人を捕まえてください。成田さんが帰って来ないと先生の仕事もはかどりません。」と言うと金村は「いや、そうでもないぞ。」と指をさすとその方向に昨日置いておいた仕事の封筒があり中身を確認すると仕上がっていた。
木田は「先生!ありがとうございます。料理は食べてくれましたか?」と聞くと金村が「いや、悪いな。俺が食べてしまったよ。」と軽くゲップをすると木田は目をつり目にして「アナタッテ人は!」と睨み付けた。金村は「伊門が手をつけなかったからさ!俺もろくに飯を食べてないから、ついな。」と言い訳をする。木田は「う~~。」とうなった。
そこに伊門が「あのさ、もしかして亡くなった中岡あゆみさんは成田の婚約者だった人?」と聞くと金村は「何で知ってるんだ?」と逆に聞き返すと「前に成田が自分でそんな話ししてたなって思って、そうか!じゃあ分かったよ。真相が....」と言うと金村と木田が息ピッタリに「誰だ?」と聞く。
伊門冬は「ここからは、オラノ妄想推理だけど聞いてくれ、成田のためにも当たらなければならない。」と言うと金村は「おう。」と言って出版社の木田も頷く。
伊門は「成田は犯人でない。成田はあの日も中岡さんから相談を受けていたストーカーので、前に口論になっていたのは、警察に相談をするかでケンカになった。あの日も、その話をしに行き成田が帰った後にストーカーによって殺害された。成田が慌てて帰って行く様子が写っていたのはオラガ家でコーヒー豆をこぼして成田に電話をしたからだよ。履歴を見ればわかる。で、犯人は、あの第一発見者の常連客で裏から聞いていたのだと思うよ。まぁ、二人はストーカーの犯人が分かっていたのかもね。裏から指紋が出ても常連客だからと言って免れたと思うけど後は警察が調べて成田が殺害する理由がないってことを。」金村はそれを聞いて「分かったよ。」と言って出ていった。出版社の木田も「よし!」とガッツポーズをした。
次の日、刑事の金村が家に来ると「伊門、ストーカー男は認めたよ。ストーカーを..しかし、殺害してないって、で!成田が殺害したのは自分だって認めたよ。理由は、コーヒー豆を勝手に取ったからだって...」
その日は、伊門冬にとって長い一日となり成田こ裁判も始りアット言う間に判決も出た。
伊門冬と出版社の木田が裁判所へ成田の判決を聞きに傍聴する。
「主文、成田紅を死刑とする。」
伊門冬が仕事場の炬燵から目を覚まして顔をあげると成田がコーヒーを伊門の机に置く。
伊門は自分がずっと夢をみていたのかと気づいた。成田は「うなされていましたよ。何か変な夢でも?」と言うと伊門は「ありがとう。コーヒーいつも...」と珍しくお礼を言う。
成田は笑顔で「いいえ、こちらこそ飲んでくれてありがとうございます。」と言うと伊門は窓を見て自分の首に巻いてある白いマフラーを触りながら「本当に夢で良かった。」と小声で言って一口コーヒーを飲んだ。
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