daydream

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…結局、あの日々はなんだったのだろう。 もちろん、学生時代という当時の事を踏まえれば、いずれは今ほど交流出来なくなる事は前提にしてたけど、それを超越して、ああいう形であっさり終わってしまうなら、今までの事は何だったんだと当時も、そして今も思っている。 当時は、あの日々があったからこそ楽しむ事が出来た。 ずっと退屈で先の見えない中、あの日々と交流があったからこそ、私は初めて色んな事を楽しむ事ができ、今まで以上に私の世界を広げる事が出来た… 全てはあの日々と、何より私と今まで以上の交流をしてくれた人達がいたからこそあった事… 今の私だって、あの日々と交流を通して築かれたものであり、まさしくあの日々と交流なしには語れないものでもある… けれど、そうした事に通じたものも、今は何一つ残されていない。 しかもそれは、一つ一つの事がなし崩し的に進む形ではなく、ある日全てがリセットされたかのように、一気に多くの事が私のもとから離れ、いつしか私のもとには何も残されなかったという容赦ない規模のものだった。 そうした事態がようやく収まった後、私に残されていたのは、多くの人達が私から離れていったという事実だけだった。 それはまるで、『そうなる前の状態に多少傷跡を残す形で戻された』に等しいようなものだった。 まさしく、長い夢から覚めた後であるかのように…
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