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それから数日後の晩、明子は仕事から車で帰る途中、後続の車が煽り運転をして来た。
更に酷いことに追突までしてくるのでパニック状態に陥った明子は、交差点が近づいてきて信号が赤になると、ブレーキを踏みこみながら止まれない!止まれない!と泣き叫んで大パニックになった。
で、後続の車が追い討ちをかけるようにここぞとばかり追突して来たので明子の車は赤信号の交差点に突っ込んで行ってしまった。
お陰で横から走って来た車に激突された明子の車は、斜め前に吹っ飛んで横転して引っくり返ってしまった。
その際、明子は潰れて来たルーフに頭を強打して頭蓋骨が陥没し、頸椎が折れ、その上、割れたフロンド硝子の破片が顔や腕に突き刺さって何とも痛ましい悲惨な姿になって死んでしまった。
彼女を死に追いやった車は赤信号で停まっていたが、忽然と跡形もなく消えてしまった。
この世に思い残すことがなくなったのだろう、ゴーストタクシードライバーの霊魂は潔く地獄へ旅立ったのだった。
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