ダメ人間の成長日記 パート10

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ダメ人間の成長日記 パート10

トモカは公園のすべり台の下で雨宿りをしていた。地面は濡れていて衣服も濡れていた。 「トモカ!」 ヒビキがそう叫ぶとトモカはビクッと震えながらコチラを見た。 嗚呼、もう私は恐怖の対象になってしまったのか、とヒビキは思った。 ヒビキは雨に濡れながらトモカに近づいて雨降る中、頭を下げて謝罪した。 「トモカ、本当にごめん。私が勝手だった。自分の最低な生活を守るために、守る必要がないものを守ろうとした。自堕落な生活を。私は変わらないといけないと思ってはいた。でも、中々気持ちが整理できずにズルズルとトモカに甘えていた。だからさ、トモカの行動は当たり前だけど正しいんだよ!全ては私の間違い。自堕落でだらしない私なんだよ。」 そう言って一区切り。 「だから……コレからはちゃんとするからまたお味噌汁作ってくれないかな?」 ヒビキがそう言うとトモカはボーッと雨の中ヒビキを見て、笑顔で頷いた。 こうして雨の中、手をつないで帰った私達のルームシェアは再開され、私も積極的にトモカに手伝い、日々を過ごした。 気がついたら私はもうダメ人間の生活はしていなかった。普通に健康な生活をしていた。 私は密かにスマホで書いていた『ダメ人間の成長日記』というタイトルのメモ帳を消した。 私はやっと成長できたのだから。必要はなかった。卒業だ。親と友と自分の力で。 快晴の朝、トモカと笑いながら飲むお味噌汁は美味しかった。 この味は私は一生忘れないだろう。 そう、一生。
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