ダメ人間の成長日記 パート2

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ダメ人間の成長日記 パート2

「あ~最悪だわ」 下校の開口一番、ダメ人間ヒビキはそういった。 授業がつらまらないからと寝ていたら担任に教科書で頭を叩かれ、廊下に立たされた。 「くっそ。やることが昭和かよ、まったく」 ヒビキの反省しない態度が一番の問題なのだが、それに気づかないヒビキはやはりダメ人間なのである。 家の家事も、掃除も、そして学生本業の勉学でさえヒビキはダメ人間なのである。 「ただいま~」 誰もいないアパートに帰ってゴミだらけの部屋を慣れたようにスルリスルリと歩いていって、さっそくカバンを置いてゲームを再開したヒビキ。 ゴミを捨てることが大事だろう、キッチンを掃除するのが大事だろう、勉学を勉強するのも大事だろう、しかしヒビキの第一優先はゲームだった。 ダメ人間、ココに極まる。 ヒビキの友人もなんとかしたいとは思っているらしいが、如何せん本人がやる気が無いのでどうにも手詰まりだった。 全てにおいてだらしないヒビキは今日もゲーム三昧の日々だった。 学校に行くだけマシ、それしかなかった。 それがヒビキの誇れることだった。
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