2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あなたが何なのか、わからない。なんでこんな急に変わってしまったのか、何をそんなに隠したいのか。
でも……うん、こうなったら別れた方がいいのかもね 」
彼女はまた、見たくもない涙を目にためた。
その涙は留まらず、頬を伝って地面を濡らした。静かに、しかし確かに彼女の心が傷ついていくのがわかる。
そうしたのが自分だというのは充分にわかっていたが──これが正しいのだと言い聞かせる他に、できることはない。
「……ごめんね。私、もうあなたの事わからないや。本当……ごめんなさい。
──さようなら。元気でね」
「…………幸せにね」
彼女と交わす最期の言葉には、ちゃんと本心を告げた。その言葉が彼女の耳に届いたのかどうかは、定かではない。
ただそれでも、伝えたかった。
僕は、彼女がいなくなった公園で、声を枯らして泣いた。そこには既に夕日もなく、ただ暗闇に心の傷だけが残っていた。
最初のコメントを投稿しよう!