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3話 文芸部史上最大の珍事件【白玉事件】とは?
四月。私が入部してから一年が経ち、新学期になりました。この時期の部活は浮つき始めます。そう、次の世代。私達第三世代の初の後輩、第四期生を一人でも多く入部させたい。
そして、四期生を我々で育てることで文芸部をより楽しく、より面白い部誌を作ることができるのだと。
故に見せるわけにはいかなかったのです。私達が入部した一年前のあの光景を。空気の悪い批評、ノブナガ先輩の怒号。確かにあの出来事で精鋭が残りましたが、仮入部者が去って行ったのも事実です。
今年はあんな姿は見せられない。そう私とアオハル、カメラさんは考え、できる限り新入生の対応を私達三期生が率先して行うように計画しておりました。
実際忙しかったのです。この時期は。私とアオハルは度々あって作戦会議を行っていたのを覚えています。どうやって、新入部員を育てていくか。楽しんでもらうか。
そんな時、急に話が出てくるのです。
「今年の5月の学祭は模擬店をやりたい!」
もちろんこんなわがままを言うのは、ノブナガ先輩です。文芸部は伝統として、この5月の学祭は新刊を出して配布します。新入生が入ってくる時期に合わせて、作品を読ませて、批評を教えて。と、いろはを教える時期。
その部誌制作をぶん投げて、模擬店を開きたいとノブナガ先輩は言い出したのです。しかも、ことは新学期が始まる前。つまり、私達がバイト生活を送って部活に行けてなかった長期休みの間に話が進んでいたというのです。
流石に私たちは呆れかえるしかありません。それでどうするの? 小説を書きに来た新入部員に出店をやらせるのか?
呆れ半分でしたが、私とアオハルはその模擬店に賛成しました。これはある意味チャンスであると考えたのです。
新入部員にあの批評会を見せなくて済む。一から教え込むことができる。
そうして私たちはある企画を立ち上げて。実行に移したのでした。
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