3話 文芸部史上最大の珍事件【白玉事件】とは?

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 文芸部ゼミナールとは、二期生・三期生の先輩がゼミを開き。後輩たちは教えてほしい先輩のゼミに入り、小説の書き方や批評の仕方を教わるという企画です。  例えばアオハルのゼミは、彼が青春ミステリーを書いているからミステリーを書きたいって人は来てね。といった感じに宣伝して、面白そうだと思った後輩が入るわけです。  そう、この企画によって、今回の学祭で教えてあげられない文芸部のことお補うというのが目的になるわけです。模擬店に集中していたノブナガ先輩は、立案者であり当時副部長であったアオハルにこの企画の全てを任せます。  無論、私達はただやりたいだけでこんなことを言い出すわけではありません。すべてはいい小説を書ける楽しい文芸部を作るため。  実はこの企画には裏があったのです。新入生、四期生は実は四期生のみで集まったライングループがあり、既に纏まりつつありました。そして、アオハルはそのグループの中心人物、ハクシ(ずっと文芸部にいたのに一切小説を書かなかった子)と繋がっていたのです。  つまり、既に四期生は我々の手の中に納まっていたのです。アオハルは、ハクシを通じて文芸部の二期生のヤバさを四期生に送っていたのです。そもそも、彼らも模擬店の事や、その会議の中で薄っすら気づいていたようですが。  二期生の話は聞くな。三期生に従え。そういう流れを作ることがいつの間にか出来ていたのです。  しかし、企画的に。ゼミは平等に行きわたるように設計されてました。また合同展示会の時のように1.2.3位が三期生で埋められるようなことがあれば、ノブナガ先輩が爆発します。  この企画は、やはり成功したゼミもあれば失敗したゼミもあります。女子が二人、あの先輩の教え方に不満があるとアオハルに相談したことなどもありましたが。概ね、収まるところに収まったと思います。  そうして白玉事件は緩やかに終わりを迎えます。いや、実はお金の事とか、準備不足とかいろいろ問題は起きましたが。やはり、このことはまるで災害のように、何もできずに過ぎ去っていった珍事件なのでした。  さて。この珍事件を超えた私達。ついに、11月にある次の学祭を迎えるにあたって暗黒世代。二期生が引退を迎えることになります。  私もアオハルも自分たちの世代になることを待ち望み、理想の部活を作るヴィジョンを考えはじめます。しかし、まだ甘い。ここからさらに多くの落とし穴が待ち受けるのだ。  そして、私達はあることに気づき始めます。恐ろしい現実。 「あいつら、引退しても部室に来るんじゃね?」  三期生と二期生の戦いはこれから更に激化していくのでした。  と、その前に。次話ではこの白玉事件の裏で起こった大事件についてお話しさせていただきます。
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