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そんなこんなでやっと白玉事件が終わりました。
その後の活動も、ゼミを作っていたおかげで支障なく進みます。
ここで、この文芸部ゼミの真の狙いが開花し始めるのです。
前述では、批評を見せないためだったり、私達で四期生の面倒を見るためでしたが、もう一つこの計画には目的がありました。
それこそ、私達が望んでいた「文芸部らしい活動をしたい」というものでした。
このエッセイの在り方として、私達が出くわした事件や出来事をピックアップして書いているわけですが、そういうのは基本、イベントだったりその前後で起こるものです。
では、そういったイベントがない。やることが全くないとき文芸部は何をしていたか。それは、人によって様々です。カードゲームをする人もいれば、雑談をする人もいる。ずっと、携帯を触っているだけの人もいる。
もったいないと。私たちは思っていました。
しかし、どういうことをすればいいのかわからない。2.3時間の中でどうやって文芸部らしいことをすればいいのかわからない。
しかし、このゼミでは試験的にそれを行うことができたのです。1時間以内に、カップ焼きそばの作り方を文学的に書くなんて、結構盛り上がった遊びとかやってみたりして私たちは手ごたえを感じていました。
文芸部は変わりつつあったのです。予想以上に入ってきた新入生。文芸部ゼミの導入。その延長線で組み込まれていく文芸部らしい活動。
まぁ、そんな中でのノブナガ先輩の奇行なので、謀反を起こそうとしたわけですが……。
私達には既に、自分たちの代の文芸部のヴィジョンが見えていました。ただ怖いのが、そこにOBとして二期生がやってくる環境だった場合、私達のやることに口出しをしてくる人たちがいる場合難しい。
そして、その妄想が現実になりつつあったのは、二期生の先輩たちがこの文芸部らしい活動をする今の文芸部をとても楽しんでいたことにあります。
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