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「ナルシストっぷりです。さすがの慈愛の姫君も看板をおろすレベルかもしれません」
「えっ、俺ってそんなヤバイの!」
「はい、自覚してください。あと、もうひとつ」
「まだあんの!」
「みんながイケメン扱いしてくれるのは殿下に気をつかってです。察しましょう、大人なんですから」
「うっそ、それ一番ショックだよ!」
周囲の言葉をまにうけ自分はイケてるんだと信じて疑わなかっただけに、ここ数年で三本の指に入るダメージです。
「でも、さっき騎士団の人が笑顔で『殿下、今日も男前っすね』って言ってくれたじゃん。あれはなんだったわけ」
「笑顔もいろんな種類があるんです」
「もうムリ、心折れちゃう……!」
涙声で叫んだロラン王子がうなだれ、頭を抱えます。
「じゃあ、俺どうすればいいの」
「まずはミヤ姫と会いましょう」
「どうやって他国の姫君と。公式なのとかセッティングする権限、俺にないし」
「得意のお忍びがあるじゃないですか」
「つっても相手は東の果てじゃん。ここからだと全力の馬車でも数か月かかるじゃん」
と、アルマンの頬が待ってましたと言うかわり、にんまりと持ちあがりました。
「じつは先日、おもしろい人物と知りあいになりまして」
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