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「すごいよアルマン、いったいどこで見つけたのさ」
「先々月の王室ジャーナルに載っていらっしゃいました」
「うっそ、あんなおカタイの読んでんの」
「殿下も一読されてはいかがですか。ゴシップ誌ばかりに執心するのでなく」
「やだよ、おもしろくなさそうだもん。知ってる? パシン国の王様、五人目のお嫁さんをもらったばかりだけど、それフェイクで、本当は非合法な愛妾を囲ってるのをごまかすために……」
「そうですか」
長くなりそうな話をアルマンがむりやり封じこめます。ロラン王子も、こう見えてまったく空気が読めないわけでもないので本筋へ戻ります。
「で、どこの子なの。服からして東方地域だよね」
「ニリオン国です」
「って、東の果ての極小国だっけ」
「はい。ミヤ姫は大変に心優しい方で、慈愛の姫君と称されるほど国民に支持されているようです」
ロラン王子は再三手元に目をおとします。言われてみればたしかに、ミヤ姫の穏やかな雰囲気からは怒った顔など想像もできません。
「決めた! 俺、この子と結婚する!」
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