雪原照らす月
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「最期に言い残すことはあるか」 陰陽師は剣の切っ先を、最後の力を振り絞って唸る狐に向けた。 『──オ前ラ人間ハ......ダ』 「そうか」 陰陽師は最期の蚊の鳴くような声を聞き届けると、その剣を振り下ろした。 森に沈黙が訪れた。 そうして、三日三晩に渡る争いに終止符が打たれた。 そう、皆は思っていた。
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