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ガルルルッ!!
横から喉笛目掛けてきた一匹を何とか躱すとなんの躊躇も無く、その尾で串刺しに、そのまま地面に叩きつけた。
『ゥヴ......!』
狐は呻き声を上げる。
いつの間にか後ろに回り込んでいた白犬が右後ろの足に牙を立てていた。
牙からは退魔の呪詛が流れ込み、それは黒狐の意思と四肢の動きを完全に断ち切るものだった。
狐は己の足が雪を掴む感覚を失っていくのを感じた。
ずるりとその巨躯が崩れ、粉雪が舞う。
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