雪原照らす月
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黒狐はうっすらと目を開けた。 そこには、月夜を背に立つ陰陽師の姿。手にはひと振りの剣が手にされていた。刀身には幾重にも封印札が巻かれている。 狐は吠えた。 『──憎イッ!!オ前ラ人間ノ全テガッ!!』 その濁った目にはもはや何も映ってはいない。 陰陽師は静かな目で、影に染まってしまった九尾の狐を見下ろす。 『オ前ラ人間ガ憎イ......憎イ!──殺シテヤル......』
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