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  ○月×日  吸血鬼が青白い顔をさらに青白くしてやってきた。 「先生。最近心配で心配で、昼間もおちおち眠られません……」元々血走っている目をさらに赤くして吸血鬼がぼそりとつぶやいた。「これから、どうしたらよろしいのでしょう……」 「まあ、どんな心配事か、お話ください」私は血液の入った無菌パックを吸血鬼に渡した。「これでも飲みながら、どうぞ」  吸血鬼は美味しそうに一気に飲み干した。しかし、飲み終わるとまた暗い表情に戻ってしまう。 「どうしました、味が悪いのですか?」私は言った。「血液センターから送らせた、本日採れたての血液ですよ」 「いえ、美味しかったですよ。ただ……」吸血鬼が重い口調で言った。「結婚率の低下と少子化の傾向が続く現在を鑑みますと、将来、果たして人類がどれだけ残っていてくれるか、心配なんです。我々の死活問題でもありますし……」
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