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挨拶が終わり
お茶が運び込まれると一気に場の雰囲気が和らいだ
「失礼しやす!仲道っす」
部屋の外から聞こえた声に
堂本組長が「緒方」と反応した
後方で控えていた緒方さんは
小さく頭を下げて声のした襖へと進み
音も立てずにそれを開いた
そして・・・
外へと深く頭を下げた
・・・ん?
大きな緒方さんの背中で見えない向こう側から
「失礼します」
聞き覚えのある可愛い声が聞こえた
その声の主が見えるより先に
サッと立ち上がった若頭は
「琴」と蕩けるような笑顔で名前を呼ぶと腕の中に閉じ込めた
・・・わ
それに抗議するように
「も、理樹、挨拶しなきゃ」
窮屈そうな腕の中からひょっこり顔を出した堂本さんは
「まるちぃ〜♪」
相変わらずの可愛い顔を向けてくれた
「な〜に?琴ちゃん“まるちぃ”って」
「ほんと」
あだ名に反応したのは堂本の姐さんと笙子さん
「丸山千色先生だから
略して“まるちぃ”ね、優羽と決めたの」
「へぇ、そうなのね」
笑うと姐さんと琴ちゃんはよく似ている
少し歳の離れた姉妹でもいけそうなほどの美魔女っぷりにため息が出た
「理樹、いい加減離さないか」
呆れた声を出した堂本組長に反応するように
小さく舌打ちした若頭は
琴ちゃんを腕の中に収めたまま元の席へと腰を下ろした
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