お嬢は一途?

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白夜会の占める東と北の街 三ノ組木村組の本家はその境界線近くにある 白夜会の構図は   主が一ノ組である堂本組 両脇を固めるのは 陰であるニノ組郡夜組と 盾である三ノ組木村組 一と三それぞれが傘下を持ち 東は堂本組が仕切り 北は木村組が仕切っている そしてその全てに絡む情報参謀の ニは陰として目を配置している 我が森谷組は三ノ組傘下の中でも 上位に入る大きな所帯で 北の街の繁華街の半分を任されている 母が言うに・・・ この繁華街の半分を任されるという名誉の為に 女系である森谷組は代々婿養子を取り続けているらしい ・・・くだらない 口が裂けても言えない想いを飲み込むと 「お嬢、到着です」 如何にもの車は正門を入った車寄せに止まった 助手席からサッと降りた凱は 私の乗る後部座席のドアを開けた 「お気をつけて」 腿に手をつくと 一度深いお辞儀をして 就活バッグを渡してきた 「いってきま〜す」 いつもより緩く声を掛けると 校舎へ向かって歩き出した 既に此処は春休み休暇中らしく 学生が居ないから静か過ぎて怖いくらい 鳥のさえずりと自分のローヒールの踵の音しか聞こえなくて 緊張感からか喉が乾いてきた 校内図の案内板の前に立つと 事務局の場所を探す 「あった」 更にお目当てを見つけると 校舎の間を抜けて中庭へ向かった 「さすが東白」 中央に噴水、よくわからないオブジェ 至る所にベンチがあり 花も木も手入れが行き届いていて お城かよって突っ込みたくなる程の 洋風庭園が広がっている 「えっと」 校内図にあったお目当ての・・・ 「あった」 自販機コーナーでお水を買った 面接試験まではまだ30分はある 気持ちの良い中庭のベンチに腰掛けると ペットボトルのキャップを開けた
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