-6-「スタートにこだわる」

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────…入学式 司会 『新入生の言葉。代表、二方いろはさん』 いろは 「はい」 いろは (……まったく。優秀というのはこういう時にかったるいな。同じ優秀者ならば、るこがやればいいのに) るこ 「ぐごご……ぐっ……すっ……」/// 爆睡 隣の新入生 「……あ、あの……起きっ……いびきっ……」 つんつん いろは (……ありゃダメだ やれやれ。やるしかないか) 登壇 いろは (……両親は、と あぁ、やはり来ている。最前列だ……父さん、『いろはLOVE』ってハチマキしてる。本当やめてくれ……母さんも母さんで、ビデオ持ってどれだけ前に出てきてるんだ。もうそこ、新入生のエリアだぞ ……恥ずかしいな!)/// いろは 「……んっん」 いろは 『若草の芽が伸び、桜の花も咲き誇る、春爛漫の候。私たちは早良中学校の入学式を迎えることとなりました。本日はこのような盛大な式典を挙行していただき、誠に感謝しています』 いろは (……なんの面白みもない、テンプレート的な挨拶ではあるが。凛々しく、高らかに、堂々としろ。それがもっとも見る者を魅了するのだ!) ハキハキ るこ (ふぁーあ……あ、いろはちゃんがんばってる。偉い むむ、まだ眠い。昨晩、お兄ちゃんの寝静まったところに忍び込み、ほっぺたチューしまくってたのが祟った) うとうと
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