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────…翌日 夕方 秘密基地
しずく
「という夢を見たから、怖くて……」
みずき
「ははぁ。でもなんかー、悪い夢って良いことの前兆とか言わない?
ねー、いろは。ったって、いろはは夢占いなんか信じないか」
いろは
「いや。逆に、占いの類で唯一、信憑性があると考えているよ
ユングもフロイトも、無意識から発しているなにかのメッセージだと捉え、精神分析の立派な手段として夢を分析していたからね」
みずき
「難しい税10円お納めください……」
いろは
「あぁ、悪かったね。君ごときにはもっと噛み砕いて話すべきだったねェ
要は、夢には意味があるってことだ。追われる夢なら、やはり無意識的になにかに追われた生活をしているという解釈にもなりうるわけだ」
しずく
「あ、あの……ま、正夢とか、そういうのは、さすがにないよね?」
いろは
「ないな。デジャヴがそれに似たものだが、デジャヴはあくまで既に起きたことに対して『こんなこと、前もあったような』と後出しするようなものだ
今回の場合、君は夢を見た。これが現実になるというのは、予言そのものだ。そういうのは信じないな、私は」
しずく
「だ、だよねぇ
夢ではみずきが黒い指輪を探しててね……」
みずき
「黒い指輪ねぇ……
ちょっと探してみよ。あったらどうしよぉ〜わくわく」///
がさごそ
みずき
「や、やめてよ!怖いから!」
いろは
「はは、まぁいいじゃないか。夢の出来事だ、あるわけない」
るこ
「……ん?
お、お兄ちゃん……あれは?」
みずき
「ぬ?
隙間になんか挟まって……取れた」
ひょい
みずき
「……黒い指輪、ですよ……」
しずく
「……」
ふらぁ……
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