fear

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YouTuberやニコ動で活躍されている実況者様のお名前をお借りしています。本人様とは全く関係がございません。問題があれば消します 4人での実況を取り終えた後、唐突にキヨが口を開いた。 「なぁ、この前の最俺での実況さぁ…」 動画外でのキヨは暗い。 落ち着いていると言ったほうが聞こえはいいか。 編集のために開いたパソコンから顔を上げずキヨは続けた。 「評価気になってコメント見たわけよ…」 実況が終わり、のんびりモードのフジとヒラはソファーに体を沈めながら相槌をうつ。 「珍しいじゃん、キヨがコメント見るなんて」 「どうしたの?」 俺は根拠の無い小さな不安を覚えた。 キヨはそんな俺に気づくことなく相変わらずパソコンから顔を上げないで話す。 「やっぱし、コメントって見るもんじゃ無かったわ」 「なんだよそれー」 「オチは?」 フジとヒラからの怒涛のツッコミ。 いつもの〈俺〉ならツッコんでいたのだろうか。 キヨが「コメントは見るもんじゃない」と言った理由が分かった今はツッコミなど出来ない。 キヨが言った理由、それは俺への厳しいコメント、いわゆるアンチと呼ばれるものだ。 もちろん俺もその動画のコメントはチェックしていた。 ゲーム実況者、いや何かを配信している者なら誰しもするであろう。 『最俺好きだわw   …こーすけ以外』 『求められていないヒール役』 『最俺のお荷物』 以前はそこまで酷くなかった。 しかし、俺が炎上して以来アンチが増えるようになってしまった。 …パチン 泡がはじける音がした 「わりぃ、俺ちょっと変えるわ!」 そう言って立ち上がった。 「え!?何か用事?」 フジが心配するように慌てて声をかける。 キヨとヒラもこちらを向き、不思議な顔をする。 そんな3人に目もくれず俺は最俺ハウスを逃げるように出ていった。   …パチンパチン 泡がまたはじけた 空を見上げると曇天。 今にも雨が降りそうだ。 最寄り駅に寄り電車に乗って自分の家に帰る。 ガチャ ドアを開けると当たり前だが電気がついていない。 明るい中にいる気持ちにはなれなくて暗いままにしておいた。 そのまま洗面所へ向かう。 鏡を覗き込む。 「はい、どうもこーすけです!!」 パッと笑い、動画の冒頭の挨拶をしてみる。 そこにはクマができて眉間にシワを作り、無理して笑っている男がいるだけだ。 明るくだしたつもりの声もしゃがれて聞くに耐えない。 そのまま崩れこむようにその場に座った。 …パチンパチンパチン 泡がはじける音が大きくなってくる 「…ははは。」 苦笑が漏れる。 どれくらい座っていただろうか。 立ち上がる。 でも何かをする気にはなれなくてベットに仰向けに寝転がら、天井を見上げた。 ベットから見える実況のためのマイクやゲームを見たくなかっただけかもしれない。 …パチンパチンパチンパチンパチンパチンパチン 泡がはじける音が止まらない 暗転 ドプン 体がベットに沈み込んだ気がした。 ズプズプ… 沼に落ちたように体に何かがまとわりつく。 息苦しい。 吐き出した空気が泡となって上へ上がっていく。 光が遠のく。 必死にもがくが足かせが邪魔になってどんどん沈んでいく。 足かせ…? 声が聞こえてくる。 『キヨのペット』 『あいつさえいなければ面白いのに』 ズプズプ… 「そっか…」 「俺は…」 …パチン 最後の泡がはじけた ズプズプ… ズプ……
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