本音と建前

体育祭

　唇に柔らかい感触がして嫌悪感でいっぱいになる。いやだ、気持ち悪い。
　俺は掴まれた手を振り解こうと必死で動かした。けれど光の力が強く全然振り解けない。

　さらに光は舌を入れようとしてきた。
　俺は手が動かせないならと横に顔を逸らそうとした。けれど、それに光が気づくと今度は片手で俺の頭の上に両手をひとつにまとめ、もう片方の手で顎を掴んできた。

　ますます抵抗ができなくなる。
　痛くない足をバタつかせようとも足の間に光がいるため意味をなさない。
　今できることは舌の侵入を許さないように口を必死に閉じていることだけだった。

　「んっ……んんッッ！」

　ディープキスは諦めたのか、光の唇が下がってくる。首元でチクっとした気がしたが、こんな状況の俺は気にすることなんて出来なかった。
　顎を掴んでいた手も離れ、体操着の中へと移動していき胸の飾りを触ってくる。

　「あーやっべ。わたるんかわいい。めっちゃ興奮する。」

　そう言いながら光は俺の股に硬いものを押しつけてきた。それが何かって見なくてもわかる。