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翔が言わんとしてることが俺にはわかった。
「悪いけど、俺本当に渉の彼氏なんだわ。」
翔は思った通りの言葉を言うと、そのまま俺の口にキスをした。
まさかキスされるとは予想してなかった俺は驚きのあまり心臓が止まりそうになる。
ゆっくりと唇が離れていくと翔の顔が見え始める。翔は少し赤いが真剣な顔をして、「話を合わせろ。」と訴えていた。
こんなの思いつきの嘘を光が信じるはずがない。
案の定、光はますます苛立った様子を見せる。
「はぁ?彼氏だ?んなの信じる訳ねぇじゃん。」
「面倒だから隠してたんだよ。それに、嘘だったらキスなんかしねえよ。」
「わたるんの顔見れば嘘だってわかる。」
「違う。違う。急にバラしたから驚いたんだよな?なあ、そうだろ?」
翔が俺に問いかける。
俺は早くこの話を終わらせたい一心で何度も頷いた。
「渉も認めてる以上、もう話すこともないだろ。渉は俺のもんだからちょっかい出すな。」
「え、ちょっ!」
翔はそう言うと俺を横抱き、所謂お姫様だっこにするとこの場を立ち去った。
彼氏発言にお姫様だっこに今の状況に頭がついていかない。
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