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それからはクラスメイトもやはり気になってはいたのだろう。光のまわりに集まり始めた。いないのは翔くらいかもしれない。そっと俺は翔の方を向いてみた。そこにはじっと光を睨みつけるように見ている姿があった。
おいおい、なんでそんな怖い顔しているんですか。
翔とは対照的にキラキラと笑う光は明るい性格のようですぐにみんなと打ち解けていた。イケメンの転校生ということもあり、女子たちは延々と喋り続けていた。
それでも隙を見ては俺に話しかけてくる。席が前後だから仲良くしたいのかな?
なんて考えながらいろいろ話していると顔を凝視されていることに気づいた。
「なんか、俺の顔についてる?」
「あ、ごめんね。じろじろ見ちゃってた?わたるんがあまりにも可愛いから見惚れちゃってたよ。」
「ふぁっ?!」
俺は自分の耳を疑った。
俺がかわいい?見惚れてた?いや聞き間違いか冗談だろ。うんきっとそうだ。
そう結論付けても光が生い立ちをかけるように話し続ける。
「あはは。冗談とかかと思ってるでしょ。本気だよ。俺、ゲイだって言ったじゃん。忘れちゃった?
わたるんみたいに素朴な子大好きなんだよねぇ。さっきの笑顔で完全にやられちゃった!ねぇ、わたるんはノンケ?俺と試してみない?案外ハマっちゃうかもよ!」
まくし立てる光にどう俺は反応すれば良いかわからず戸惑う。
あ、とか、う、とかしか言えない中、誰かが俺の腕を強く引っ張った。
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