エピソード4 ゆういちろうくんの手紙

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「ちょっと、ゆう!みつくん家が来たわよ、いらっしゃい!」 お母さんの呼ぶ声に、ゆういちろうくんはお父さんの顔をじっと見た。 「大丈夫だ。みつくんが何をしに来たのかはわからんが、みつくんはお前を責めたりはしない子だ。不安がらずにいってらっしゃい。」 頷きながら話すお父さんに、ゆういちろうくんも頷いて、ゆっくり廊下に顔を覗かせた。すると、すぐにみつあきくんと目が合った。 「よぉ!朝早くから悪いな。昨日言おうと思ったんだけど、中々言えなくて。」 ゆういちろうくんは、何の話かわからず首を傾げながら玄関に向かった。 みつあきくんのお母さんも一緒に来ており、ゆういちろうくんはペコリと挨拶した。 「おはよう。ごめんね、朝早くに。みつあきが言うなら今だって言い出して聞かなくて。」 「だってさ、こういうのって、そういう気持ち的なタイミングって大事だろ?なぁ、ゆう。」 「…あ、え、…ごめん、何の話かわかんなくて…。」 「あ、そうだよな、ごめん。…おれ、来週引っ越すことになったんだ。」 「…え?」 ゆういちろうくんは、目を丸くした。 「お父さんの仕事の関係で、北海道に行くことになっちゃったのよ。みつあきったら、まずはゆういちろうくんに話すんだって言ってたわりに、中々話そうとしないから一週間前になっちゃって…。ゆういちろうくん、今までみつあきと仲良くしてくれてありがとうね。」 みつあきくんのお母さんが、ゆういちろうくんにペコリと頭を下げた。 「…ゆう。引っ越す前にお前とまたサッカーがしたいんだ。これからやりに行かないか?」 みつあきくんは背中に隠していたサッカーボールを見せながら言った。 「う、うん。すぐに準備するよ。」
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