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ゆういちろうくんは、みつくんを玄関に待たせたまま、自分の部屋でパジャマを脱いで着替えを始めた。
クローゼットで服を漁っていると、ふと派手な服が目に入った。
「これって…」
3分後、着替えを済ませたゆういちろうくんが二階から階段を駆け下りてきた。足音を聞いて、玄関に座っていたみつあきくんが立ち上がって振り向いた。
「ゆう…似合ってんな。」
みつあきくんは、ゆういちろうくんを見てニコリと微笑んだ。
それは、みつあきくんが事故に遭うまで、二人で入っていたサッカーチームのユニフォームだった。
「…ちょっとサイズ小さくなっちゃったけどね。」
「…気持ちは一緒だな。」
「…え?」
みつあきくんは、ジャージのジッパーを下げて中に着ていた服を見せた。
「…それってユニフォーム…。…プッ、ハハハハ…凄いな、気持ちが通じたね。」
ゆういちろうくんは思わず笑ってしまった。
その様子をリビングから覗いていたお父さんとお母さんは目を合わせて微笑んだ。
「行こうぜ!」
「うん。」
二人は笑いながら玄関から出ていった。
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