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「…黄色いポスト。」
ゆういちろうくんは自分の手紙の返事のために現れたのだと理解した。
しかし、そのことを知らないみつあきくんは不思議がって、黄色いポストにぎこちない走り方で駆け寄っていった。
「あ、みつくん!」
ゆういちろうくんは、慌ててみつあきくんを追い掛けた。
「…またおれにかな?」
勘違いしたみつあきくんは、ポストの裏側の扉を開けた。
「あ、また手紙だ。」
みつあきくんは手を入れて手紙を取り出した。そして、封筒に書かれた宛名を見た。
「…あれ、ゆうの名前だ。」
みつあきくんは、追い掛けてきたゆういちろうくんに振り向いて顔を見つめた。
「…まだ言ってなくてごめん。僕も昨日手紙を書いたんだ。」
「そうだったんだ。勘違いして悪かった、はいよ。」
みつあきくんは、ゆういちろうくんに手紙を差し出した。
「…読んでみて。」
「…え?いいのか?」
ゆういちろうくんは頷いた。みつあきくんは言われるがまま手紙を封筒から出して、ゆういちろうくんにも聞こえるように読み始めた。
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