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おばあちゃんはお茶を一口啜って、また話を始めた。
「おばあちゃんがまださきと同じ歳の頃、日本は世界と戦争している真っ只中だった。…戦争の話をひ孫のお前さんたちに話すのは初めてだったね。二度とあんなもんを起こしては欲しくない…だから、お前さんたちにも忘れないで欲しい。戦争というものの怖さと虚しさを…。」
よしのりくんとさきちゃんは、ジュースを飲みながらおばあちゃんの話を聞いていたが、真剣な目に変わったおばあちゃんを見て、コップを置いて姿勢を正した。
「おばあちゃんのお父さんも、戦争で命を落としたんだ。争いってのは、自分たちが正しいって、お互いに主張し合った結果起こるもの。だが、人の命を奪った時点で、その正しさは互いに無になる。人の命より大切なものなんてない。仮に戦争で勝利したって、得るものなんて何一つない…当時の人々はそれに気付かなかったんだ。」
「…戦争って、ニュースでよく外国の人たちがしてるよね?」
さきちゃんが不安そうな表情で聞いた。
「そうやなぁ、おばあちゃんも歳で外国のことはあんまりわかんないが、色々な理由で戦争は相変わらずどっかしらで起きとるってことやな。…人間ってのは、中々学ばないものだ。」
「ねぇ、おばあちゃん。それで、ポストの話って?」
よしのりくんが質問すると、おばあちゃんは思い出したように話し出した。
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