エピソードFinal 黄色いポストからの手紙

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授業の合間の休み時間。はるかちゃんが席に座るゆみちゃんに駆け寄ってきた。 「ねぇねぇ、ゆみちゃん。ポストの話聞いた?」 はるかちゃんの問い掛けに、ゆみちゃんは首を傾げた。それを見たはるかちゃんが、ゆみちゃんの正面に座り話を続けた。 「あの黄色いポストね、最近姿を現さないんだって!手紙を書いてポストを探している子どもたちがいつも丘の上にいるんだけど、誰も姿を見ることができないみたいよ。」 「そうなんだ。わたしもあの日以来は見てないなぁ。…でも、ポストだって休みたい時があるんじゃないかな?」 「あのポストって何なんだろうね。あ、そうそう…これ見てよ!」 はるかちゃんはポケットから一枚の紙を取り出して、ゆみちゃんの机に広げた。ゆみちゃんは何事かと紙をまじまじと見た。 「…黄色いポスト研究会会員募集…?」 「そ!今まで黄色いポストを見たことがある人が集まる会なんだって!」 嬉しそうに話すはるかちゃん。 「は、はるかちゃん、行きたいの?」 ゆみちゃんは、何ではるかちゃんがこのチラシに興味を示しているのかわからず、不思議そうに聞いた。 「当たり前だよ!ゆみちゃんも一緒に行こうよ、ね!」 「…え、う、うん。」 ゆみちゃんは、ゆうきくんの一件もあり、はるかちゃんのお願いごとはなるべく聞いてあげたいと考えて、とりあえず返事をした。
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