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亡霊
私はいかにも探検家と言うような黄土色の服をまといきっかり5時に祠の前に着いた。
「おい 遅いぞ!」
蘭耀丸という受け継がれてきた日本刀を持ち
武士らしい佇まいで仁王立ちし、鼻息を鳴らしている
「やっぱ無理 !
命が無くなるかもしれないんだよ!帰ろ!」
「何言ってんだ!俺は亡霊を成敗し、この村の英雄伝説に名を刻む!!」
陽は西海山の裏に沈み辺りがぼんやり橙に染まっている
和ろうそくの火を頼りに急な石坂を登りきり東山峠を越え暗礁村に入った時だった。
生暖かい風が吹いたかと思うと
ガシャガシャガシャ
徐々に音が近づいて来る。
彼と背を向かい合わせにし辺りをガチガチに震えながら見渡した。
何もいない
そう思った時だった
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