海の声

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* 「――新しい星には海が作られるといいますね」  長い旅の果てに辿り着く星の水たまりに、私はいつか身体の中に湛えた海を放ちに行くだろう。そこで聞く海のものたちの声はどんなものになるだろうか。 「山も作られますよ」 「きっとうんと後回しですけれどね」  おどけたように笑う。  いつしか静かに凪いでしまった海に、また、と告げた。また会いましょう、と。男性と手を振り別れながら、彼の内の風にもまた会いましょう、と約束をする。  新しい世界に水の音を届けに行こう。葉擦れの響きを教えに行こう。あの星に在ったものたちのすべてを、私たちはきっとまた新しく響かせ合うのだ。
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