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 わたしは「アオゾラ鉱業機械集団」――略して「アオゾラ鉱機」――という工業集団に所属していた。役職は通信要員。アオゾラ鉱機の主な活動は、惑星・衛星を破壊して稀土類元素やレアメタル等の資源を採取すること。そしてわたしの任務は惑星上、もしくは衛星上に知性体が確認された場合、技術発達指数・社会発達指数・経済発達指数、及び個体数等を集団中枢に報告すること。  わたしが構成員となっていた星間共同体の法律では、知性体の棲息する天体を破壊する場合、当該天体と酷似した環境を整備した上で、知性体の99パーセント以上を強制的にその環境に移住させるよう、定められている。その法律に違反した場合、知性体の大量殺戮の罪により、個人・法人、その他共同体を問わず、関係者は全て処刑されることになっている。  当時、わたしは欲しかったタキオン受信機をようやく手に入れ、わたし独りだけが駐在していた、とある破壊予定の惑星を周回する人工衛星で、定期的に外部の星間共同体からの超光速通信が入ってきているか否かを確認する日々を送っていた。そしてその頃、惑星の調査隊から、この星に石器を用い、原始的な社会を構成し、更に他の生物との交易まで行う機械型知性体が、地中に約50億個体確認されたとの報告があった。  その時、わたしはようやく入って来たタキオン受信機が受信したメッセージの解読を行っていた。そのメッセージの解読には時間を要したが、判明した内容はこのようなものだった。 「ハロー、コチラチキューセイカスヤグンワジロマチノ、『オマエサン』トヨバレルショウネン。コノメッセージヲジュシンサレタカタハ、アマチュアムセンニテヘントウメッセージヲオオクリクダサイ」
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