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そのあと、上野が梅田に施した説明は前聞いたもののコピーかってくらい一致したものだった。改めて聞いてもぶっ飛んだ話だと思ったけれど、梅田は上野と向かいの椅子に背筋を伸ばして座りながら、ずっと真剣な顔で、それを聞いていた。
「正直、よくわからんわ…」
全て聞いた後の梅田の第一声は、予想通りかつ簡潔で明瞭だった。
「宇宙人だの魔法少女だの猫だの…。あまりにもファンタジーすぎてもう…」
「まあ、気持ちはわかる」
わかりすぎて、その嘆きを梅田以外の人から聞いたことがないのに聞き飽きたまである。おそらく10人同じ話を聞いたら、9人が今の感想を一字一句違わずに述べるだろう。残り1人はおそらく絶句すると思う。
「大和はこの話信じるん?」
梅田の視線がこちらに向く。まるで珍妙な生物でもみるようなその目つきに思わず苦笑してしまう。
「まあ、俺はすでにいろいろ体験しちゃってるからな」
信じるというよりは、信じざるを得ないと言った方がいいのかもしれない。もしも、俺が今の梅田と同じように話だけ聞かされた状態であるのなら、信じることは難しかったかもしれない。
梅田は自分の気持ちを落ち着かせるためか、目を瞑り、細く長く息を吐いた。そして、改めて上野の方に向き直る。
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