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1.愛なんて
──プル──ッ─・・
プルルルル〜♪
プルルルルルルルル〜♪
「ん…っ………」
もう誰よ、こんな朝早くに。
夜働いてる身としては、今は大事な睡眠時間だ。うなりながらも鳴り響く着信音に手を伸ばした。
画面には「桐島 菜月」と大きく表示され、ついつい溜め息を落とした。菜月は小学校からの幼馴染みだ。
喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもので、初対面からとばっちりを受け大喧嘩、小中高とうんざりするほど喧嘩をしたが、20歳になればそれも落ち着き、いわゆる何でも話せる仲になった。
静かに電話をとった。
「もしもしー?杏夏ー?今週末の夜空いてる?」
この誘いはもう聞き飽きたというくらい聞いた。次に出てくる言葉がわかる。合コンだろう……──。
「紹介したい人がいるんだけどさ!合コン!行こうよ!」
ほらほら。
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