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「それで? 今日はどうする? パイにする? サラダにする? それとも……俺?」
毎日家に帰って聞く第一声がこれである。
持っていたナイフを投げつけて狼は感情任せに怒鳴った。
「死ねこの変態羊がッ!! 誰が夕飯持って来いって頼んだッ?!」
「オーケイ。この変態羊がご所望か。お前も好きだな」
避けたナイフが背後の壁に突き刺さるのを見もせずにニコニコしながら寄ってくる羊に今度こそ狼がキレた。
「いい加減にしろよテメェ…ッ」
今にも羊を喰い殺しそうな勢いで胸ぐらを掴み上げる。
羊は面妖な眼で見下ろしていた。
「…そんなに俺が怖い?」
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