魔法の鏡

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「鏡よ鏡よ鏡さん この世で一番美しいのはだあれ?」 魔法の鏡の前に現れた女は艶やかな髪をさっとなびかせて切れ長の瞳でこちらをじっと見つめる。スラリとした体型に整った顔立ち、爪の先まで装飾された彼女はそこに居るだけで存在感がある。 まさに自信そのものだった。 そんな彼女に魔法の鏡は、 「もちろん、貴方様でございます」 とそう答えた。 骨董屋にはよくこうして魔法の鏡に語りかけてくる人達がやってくる。鏡は人間観察をするのが日課だった。
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