プロローグ

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理央の褒め言葉に、彩響は笑いながら運ばれてきたビールを飲んだ。結婚準備やなんやらで結構忙しかったけど、あの日以来完全に自由になり、むしろ担当していた雑誌の売上は上がった。 退勤後、無理やりデートに呼ばれることも当然なくなり、疲れも以前よりは溜まってない。はっきり言って、あいつと別れて損したことは何ひとつない。 「今更だけど、あいつと別れて正解だったと思うよ。あんたより稼ぎも少ないくせして、なんなの、あの傲慢さ!私、あんたがうちの夫のような人には結婚してほしくなかったの。」 「…さり気なく旦那さんディスらないで。」 「うちの旦那ね、以前亜沙美に自分の靴下脱がせて、『こうすると男に愛されるぞ』とか言ってたんだよ?それで私が『亜紗見が将来結婚して夫にこんな扱いされてもいいわけ?』と言って大喧嘩したの。」
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