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理央がビールをガブガブ飲み込む。彼女の旦那は世間でいう「望ましい旦那像」からはだいぶ距離のある人物で、こうして会う度にこのような話を聞かされた。
それでも彼女は「子供の父親だから」、「別れる自信がないから」、とか言って、結局自分自身の立場を受け入れてしまう。そんな友人を見て、彩響はいつも複雑な気分になるのだった。
幸せになるため皆結婚しているはずなのに、理央も、母も、幸せには見えない。いつも女としての責任に追われ、家でも外でも微妙な立場にいる。もし元カレとの結婚が無事進んだとしても、きっと自分も将来はこのようになっていたのだろう。そう思うと、ますます自分の選択は正しかったと本気で思える。
「あー、男の話は辞めましょう。私は洗濯も掃除も料理も片付けも全く興味ないし、そういうのを求めるやつだったから別れて正解だったと思うよ。…もちろん、ちょっとくらいは家事しなきゃとは思っているけど。」
「あんた、相変わらず汚部屋の住人なの?」
「仕方ないよ、仕事で忙しいの。」
「はあ、まあそうだね。…実はあなたにその件でおすすめしたいものがあってね。」
理央はカバンからスマホを出すと、何かを画面に表示してこっちへ見せた。若い男たちの写真が並んでいるその画面がなんのサイトなのか、彩響にはピンと来なかった。
「えーと、なにこれ?」
「ほら、きちんと文字を読んでみて。」
言われるまま、彩響は画面の文字を読んだ。
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