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「プハーーッ!!この一杯は格別だなぁ!!」
「もう飲んでんの?」
「こんなめでたい日に飲まずに居られるか!!」
そうこう言っている間に、いつのまにか缶が1つ空になっている。
「たっだいまぁ!!」
「お、良いタイミングだな!」
「はいお酒。さーて、私も飲むかあ!!」
今帰って来た姉はこの春で大学3年生。大学がこっちにあったので、この辺で一人暮らしをして居たのだが、これを期にどうやらこの家で一緒に暮らす事になるらしい。
「もう、2人とも飲みすぎないようにね」
お母さんの作った豪華な料理が食卓に並ぶ、そのラインナップはいつにまして豪華と言えるのではないか。
姉がお酒を飲んでいる姿を俺は初めて見たが、どうやらかなりイケル口らしい。
反対に親父の方がべろんべろんに見えなくもない。
「アナタお酒弱いんだから程々になさいよ」
母親もこう言ってるのできっと弱いのだろう。しかし、明日は折角の土曜日なんだし、たまにはゆっくりと疲れを癒して欲しいとは思う。
「姉貴、俺の飲み物は?」
「えーとね、はい」
ガサゴソと袋の中を混ぜるようにして、姉貴が取り出したのはおしるこだった。
「‥‥何これ」
「おしるこだね」
「見れば分かる‥‥。頼んでたのに忘れたのかよ!?」
「ごっめーん、お姉ちゃん忙しくてさー」
俺の姉は普段からこう言うキャラなのだが、お酒が入っているせいなのか、あんまり今は絡まない方が良いような気がした。
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